ポケモンカード新人戦における環境考察
もうこたんめんメンバー ロロたんぬによる「ポケモンカード新人戦」の環境考察記事です。
おはこにゃばちにんこ。ロロたんぬ(@Lolo_Tannu)と申します。
簡単に自己紹介させてもらうと、普段はポケモンカードを楽しみつつ、大会になると真剣になる、いわゆるカジュアルガチ勢なポケカプレイヤーです。
好きなカードはワザ「おいわいパーティ!」をもつピカチュウ。
はじめに
去る1/28(日)、東京は高田馬場。
トーナメントセンターバトロコにて、「ポケモンカード新人戦」が開催されました。
参加者はなんと60名。未来に希望を持った新人達がたくさん集まりました。
予選を抜けて、決勝トーナメントに進むために。普段使えないデッキを披露する場として。
それぞれの思いを胸に、対戦をされていたと思います。
この記事では、イーブイズの小屋をお借りして、その時のデッキ使用率、成績などを元に「ポケモンカード新人戦」における環境考察を行なっていきます。
ポケモンカード新人戦 結果
まずはじめに、当日の結果を振り返りたいと思います。
「どのようなデッキがいたか、それについてどう思ったか」を語るにあたって、先に結果の話をしようと、思ったわけです。
なぜなら、「結果はこの記事において前座だから。」
参加者60名 : 予選4回戦
予選1位 | ゾロアークGX + ルガルガンGX |
予選2位 | マッシブーンGX + ダストダス |
予選3位 | ケケンカニ + ルガルガンGX |
予選4位 | ゾロアークGX + ルガルガンGX |
予選5位 | マッシブーンGX + レジロックEX |
予選6位 | カプ・ブルルGX + クワガノン |
予選7位 | グレイシアGX + ガマゲロゲEX |
予選7位 | ソルガレオGX + ソルガレオGX |
予選9位 | オンバーンGX + ゾロアークGX |
予選10位 | ゾロアークGX + ドータクン + 鋼 |
予選10位 | グソクムシャGX + ゾロアークGX |
予選12位 | マッシブーンGX + アーゴヨンGX |
予選12位 | ゾロアークGX + ドータクン + 鋼 |
予選12位 | よるのこうしん + マーシャドーGX +ゾロアークGX |
予選15位 | ルカリオGX + ダストダス |
予選16位 | オーロット |
次点17位 | マッシブーンGX + ダストダス |
次点17位 | ニンフィアGX + サーナイトGX |
決勝トーナメント
優勝 | よるのこうしん + マーシャドーGX +ゾロアークGX |
準優勝 | ケケンカニ + ルガルガンGX |
3位 | ゾロアークGX + ドータクン + 鋼 |
4位 | マッシブーンGX + アーゴヨンGX |
ベスト8 | オーロット、オンバーンGX、ルカリオGX、ソルガレオGX |
以上の結果となりました。
ベスト16のボーダーラインは3勝1敗。
オポネントの差で惜しくも2名の方が次点となりました。
予選を抜けたデッキ達は、上位環境さながらに、「ゾロアークGX」と「闘」と「その他メタデッキ!」のような構図になっていたように思えます。それでもその他が多く、かなりバラけた図となっています。
そのばらけた中で優勝を決めたのは「よるのこうしん」。
安定した強さを持つデッキが、勝利へと導いたようです。
…とまあ、結果報告はそこそこに。本題に移りたいと思います。
ポケモンカード新人戦の環境
まず始めにお伝えしたいのは、新人戦はいわゆる"ガチ大会"での環境とは少し差異があるということ。
ーーーいや、少しどころじゃないか。
新人戦の大きな目標はもちろん「勝つこと」ですが、もう一つ、大事にしていることは、「楽しむ」こと。そういった人には「tier」という概念では括れない、彼らなりの考えがあって、デッキを選択しています。
以上を踏まえて、当日の使用率を確認していきます。
デッキ使用率
※上記画像には一部誤りがあります。下記データが最終集計後の正しいものになります。
ゾロアークGX系統 9名
+ ルガルガンGX 5名
+ ドータクン・鋼 1名
+ ダストダス(XY) 1名
+ ロトム(SM5+など) 1名
+ カエンジシ(XY4) 1名
マッシブーンGX系統 6名
+ ダストダス(XY) 4名
+ アーゴヨンGX 1名
+ レジロックEX 1名
グソクムシャGX系統 4名
+ ゾロアークGX 1名
+ ダストダス(XY) 1名
+ ラランテス・フェローチェGX 1名
+ マニューラ(SM2+) 1名
よるのこうしん 4名
+ ゾロアークGX・マーシャドーGX 4名
オーロット 4名
+ ネクロズマGX・カプ・テテフ 4名
アクジキングGX系統 3名
+ ファイアロー 1名
+ ミロカロス 1名
+ フーパEX(CP2)・ミッシングクローバー 1名
グレイシアGX系統 3名
+ アローラキュウコン 2名
+ ガマゲロゲEX 1名
ソルガレオGX(SME)系統 3名
+ ソルガレオGX(SM1S) 2名
+ ドータクン・鋼 1名
オンバーンGX系統 2名
+ ゾロアークGX 1名
+ ダストダス(XY)・ダストダス(SM)
カプ・ブルルGX系統 2名
+ クワガノン 1名
+ ジュカイン 1名
ジュナイパーGX系統 2名
+ ガマゲロゲEX・フェローチェGX 1名
+ グソクムシャGX 1名
シルヴァディGX系統 2名
+ 鋼 2名
ニンフィアGX系統 2名
+ サーナイトGX 1名
+ ミッシングクローバー 1名
ルカリオGX系統 2名
+ ルガルガンGX 1名
+ ダストダス(XY) 1名
唯一王たち(KP 1) 12名
・アーゴヨンGX + マッシブーン
・エンニュートGX + エンニュート + ゴウカザル
・エンペルト + グレイシアGX
・カプ・コケコGX + マルマイン
・ガブリアス(SM5M) + ルカリオ + ルカリオGX
・ガブリアス(SM5+) + ガブリアス(XY9) + ルカリオ
・ケケンカニ + ルガルガンGX
・サーナイトGX + エーフィGX + ニンフィアGX
・ジガルデEX + メレシー
・ジバコイル + 鋼
・ドータクン + 鋼
・バクガメスGX + ボルケニオンEX
アレとアレ同じデッキやん!って感じる方もいるかと思いますが、デッキの構成を確認させていただき、メインポケモンが誰なのか、こちらで勝手に判断いたしました。間違っていたらごめんなさい。
デッキ使用率についての所感
顕著な部分をピックアップさせてもらうと、やはり目立つのはゾロアークGXの採用率。
9人のゾロアークメインのデッキと、6人のサブアタッカーとしての採用も合わせて、なんと、15人の方がゾロアークGXを使用していました。
それを見越してか、闘タイプのポケモンが入ったデッキも多かったです。
マッシブーンGX、ルカリオGX、マーシャドーGX、ルガルガンGX…。サブアタッカーのウソッキー(XY9)まで全て含めると、なんとなんと、23名が闘タイプのポケモンを採用していました。
やはりみなさん「ゾロアークを使うか、倒すか。」で苦悩されたようです。
また、上位環境で名をよく聞くような、
グレイシアGX + ダストダス(XY) や
グソクムシャGX + ダストダス(XY)
の組み合わせはあまり採用されておらず、このアーキタイプを扱うにはまだ一歩踏み切れないのかな、とも感じました。
ーーーそんな中で、異彩を放ったポケモン達がいました。
アクジキングGXとオーロットです。
アクジキングGXについて
アクジキングGXは、
ワザ「くいちらかす」でエネルギーをたくさんつける!
ワザ「タイラントホール」「グラトニーGX」でサイドをいっぱいとる!
といった、勝ち筋のハッキリしたカードです。
逆に、勝ち筋がハッキリしすぎていて、立ち回りによって対策されやすいことも難点です。
勝つことへの安定感が取れないため、上位環境では滅多に見ないポケモンですが、今回の新人戦では、3名もの方がアクジキングGXを採用していました。(1人はメインポケモンが少し違ったようですが。)
構築としては、みなさんビーストリングが採用されており、アクジキングGXの欠点である、「2体目のアクジキングGXが育てられない」を解決しています。
豪快に勝利をもぎ取りにいく姿勢に勢いがあり、新人戦に相応しいポケモンなのではないでしょうか。
ロロたんぬの中ではかなり高評価です。
グーです、グーd(℃。)
余談ですが、SM4+のアクジキングGX、かわいいですよね。
ブーブー持ってるんですよ、ブーブー。
オーロットについて
グッズロックをすることで相手の動きを鈍らせ、ワザ「サイレントフィアー」でダメカンをばらまいていく。ダメカンの調整、取り巻きのポケモンたちの扱いなど、立ち回りに 慣れ が必要なデッキのため、中〜上級者向けかと思います。
弱点であるゾロアークGXの使用率増加に伴い、自然と環境から退いていましたが、
ゾロアークが増える→闘ポケモンが増える→オーロットが使いやすい環境になる?
といった具合で、今回の新人戦では、新人の中から4名の猛者がオーロットを選択しました。
このデッキ選択、新人戦において大正解だと感じています。
先述の通り、闘タイプの多い環境だった点に加えて「オーロットの衰退の時期と、新人戦の参加者のカード歴が合致していること」が大きく影響しております。
新人戦の参加者たちはほとんどがポケモンカード歴1年未満。
ゾロアークGXの登場が7月。半年の間、オーロットを牽制していました。
この結果、何が起こるかというと、
「新人たちは対オーロット戦の経験値が低い」
状態となります。
グッズロックをされる前にすべきこと、オーロットが立ってしまった場合の立ち回り、新人たちには高き壁です。実際、ゾロアークGXを使用している方の対オーロット戦では、プレイングミスにより勝ちを逃している場面も見受けられました。
結果としては、1名がベスト8、ベスト32も2名と、勝ち越してる方が多かったようです。
勝ち切れなかった理由として、「オーロット側も経験値が浅い」点が伺えました。
カプ・テテフのマジカルスワップのタイミングを間違える、オーロットの再度復活のタイミングを逃すなど、かなり際どいところで勝ち切れなかったように思えます。
優勝こそしなかったものの、1番大穴であったことは間違いないかと思います。
唯一王の方々について
これが1番語りたかった部分かもしれません。
新人戦が上位環境よりも優れている点、それは「オリジナリティ」だと考えます。
普段、楽しいデッキを考えていても、
「ルガゾロに勝てないから…」
「それ行進きつくない?」
と諦めることが多いです。
そんな中、新人戦(ロロたんぬ目線)では、向かい風でも、荒波に飲まれても、自分のデッキを使おうとする、強い意志を評価しています。
以下、オリジナリティに溢れたデッキを取り上げていきます。
・ゾロアークGX + カエンジシ
カエンジシの特性「フレアコマンド」で相手のベンチポケモンを呼び寄せて、ゾロアークGXのワザ「ライオットビート」で倒す。
カエンジシが育ったらBREAK進化してワザ「カイザータックル」で決める。
ゾロアークGX & ルガルガンGXとやや似ているが、カエンジシが非GXである点、鋼にも弱点がつける点が異なる。
なるほど!と納得させられたデッキ。
・ゾロアークGX + ロトム
特性「ロトモーター」をもつロトムが5種類入ったロトモーターデッキ。
バトルコンプレッサーでポケモンのどうぐをガツガツ落として、すぐにロトムが戦えるようにしたデッキ。
特性「とりひき」と特性「ロトモーター」の相性が良いのもグー d(℃。)
なによりロトムがかわいい。
・アクジキングGX + フーパEX(CP2) + ミッシングクローバー
アクジキングGXこそ入っているものの、メインポケモンはワザ「いじげんリング」をもつフーパEX。
山札からグッズを2枚手札に加えるフーパEX(CP2)は、ミッシングクローバーだけでなく、ビーストリングとも相性が良い。また、特性「はやてのつばさ」をもつファイアローも採用されており、ワザ「エアロブリッツ」からミッシングクローバーを持ってくる動きもできる。
序盤はひたすらミッシングクローバーにアクセスし、サイドがとられそうになったらビーストリングを持ってくる。そしてGXワザ「グラトニーGX」でごちそうさまでした。
非常に決めるのが難しいコンボではあるが、決まるとものすごく気持ちがいいタイプ。
・ニンフィアGX + ミッシングクローバー
こちらもニンフィアGXのワザ「マジカルリボン」の山札サーチからミッシングクローバーにアクセスし、サイドをとりまくる。
SM5Mのヤレユータンも採用し、ワザ「リソースマネジメント」からミッシングクローバーを再利用するコンボとなっている。
【ハンサム】と【ハンサムホイッスル】が採用されている点も好き。
(理屈はわかるけど…)と、誰もが臆した構築を見事に実現したデッキ。
・エンニュートGX + エンニュート + ゴウカザル
エンニュートのワザ「パニックどく」で相手を状態異常にして、手堅くダメージを与えるデッキ。
やけどのダメカンを増やす特性「あつきとうし」を持つゴウカザルはSM5+の闘タイプのものを採用。
コルニを使用することでゴウカザルへの進化をしやすくしています。
サイドをある程度とったところでエンニュートGXがキメる!
・エンペルト + グレイシアGX
アクアパッチと相性のいい2匹を組み合わせて、様々な相手を倒しやすく考えられたデッキ。
グレイシアGXのワザ「フロストバレット」でダメカンを載せながら、ベンチではエンペルトを育てる。中盤以降ではダメカンの載ったポケモン達をワザ「トータルコマンド」でなぎ倒していく。
ウソッキーやオドリドリも採用されていたので、かなり幅広いデッキに対応しています。
・サーナイトGX + エーフィGX + ニンフィアGX
こちらは、エーフィが使いたい!ということから生まれた、ファンデッキ。
サーナイトGX + ニンフィアGXの既存のデッキタイプに、エーフィGXを採用しています。
相手をこんらんにさせて時間を稼ぎつつ、サーナイトGXのワザ「インフィニットフォース」で倒すためのダメージも稼げています。
エネルギーの相性がやや噛み合っていないように見えても、秘めたるポテンシャルは高いようです。
唯一王の方々は優勝こそできなかったものの、
どのデッキもとても面白そうで、楽しそうで。良いデッキばかりです。
そういうのが思いつきたいんだ僕は!
最後に
新人戦を開催してみて、良かったことがあります。
それは、「みんな、ポケモンカード楽しんでるな!」と思えたことです。
上位環境を目指す方もそう。自分の使いたいデッキで遊ぶ方もそう。みんな、笑ってました。
予選が終わった後も、対戦できなかった知り合いとフリー対戦をしたり、決勝戦の様子をモニターで観戦したり、サイドイベントを用意していなかったにもかかわらず、みなさん自主的に楽しみ方を見出してくださっていました。
とても、うれしかったです。
勝つための、いわゆる競技目的の自主大会も面白いですが、楽しむ場としての自主大会を開くのも、また一興だなと感じました。
しんみりとした締めになってしまいましたけど、「ポケモンカード新人戦」を通して、ロロたんぬの見たこと、感じたことが少しでも伝わっていればいいなと。
それでは、またどこかでお会いしましょう!
あるいは、どこかではじめまして!ができると嬉しいです。
ではではd(℃。)