イーブイズの小屋

カードで戦うイーブイズの日常

第2回ポケモンカード新人戦における環境考察

第二回ポケモンカード新人戦

もうこたんめんメンバー 、ロロたんぬによる「ポケモンカード新人戦」の環境考察記事です。

ロロたんぬ

おはこにゃばちにんこ。
ロロたんぬ ( @lolo_tannu )と申します。

はじめましての人、はじめまして。お久しぶりの人、お久しぶりです。

前回の新人戦考察記事を書かせていただきました。
今回も僭越ながら手がけさせていただきます。よろしくお願いします。

はじめに

8/12(日)、第2回ポケモンカード新人戦が開催されました。

今回の新人戦は、参加者64名……ではなく、枠を96名に増やし、
さらにその上で40件を超えるキャンセル待ちの申請までいただきました。
……ありがとうございます。

この記事では、当日、参加者に提出してもらったデッキリストを元に、
第2回新人戦環境を読み解いていきたいと思います。

第2回ポケモンカード新人戦の環境

今回の新人戦は前回とはうってかわって、かなり競技志向にシフトしていました。
というのも、

・前回の新人戦の影響で、参加者の意識が高くなったこと
・9月の東京大会を見据えていること
・まだ新スタンダードの環境が定まっていないこと

以上の点から、
「お互いに切磋琢磨しようぜ!」という雰囲気から一点し、
「だれがイチバンか決めようぜ!」に変わっていたと思います。

どのデッキからも「勝ちたい」という意志が伝わってきました。

では、デッキ使用率から見ていきましょう。

デッキ使用率

第二回ポケモンカード新人戦デッキ分布

ジュカインジュカインGX系統 10人 
 +ラランテスGX+ラランテス 6人
 +ラランテス 2人
 +グレイシアGX 2人

ソルガレオソルガレオGX系統 8人
 +アローラキュウコンGX(妖) 5人
 +ゾロアークGX 1人
 +ソルガレオ◇ 1人
 +アローラキュウコン 1人

サーナイトサーナイトGX系統 8人
 +ニンフィアGX 5人
 +アローラキュウコン(妖)GX 2人
 +ゾロアークGX・ソルガレオGX 1人

レックウザレックウザGX系統 7人
 +クワガノン+ゼラオラGX 4人
 +ゼラオラGX 3人

ゼラオラゼラオラGX系統 6人
 +レックウザGX 2人
 +カプ・コケコGX 2人
 +ジバコイル 1人
 +シルヴァディGX 1人

マグカルゴマグカルゴGX系統 5人
 +マグカルゴ 3人
 +ゾロアークGX 2人

ウルトラネクロズマウルトラネクロズマGX系統 5人
 +カラマネロ 5人

アーゴヨンアーゴヨンGX系統 5人
 +ツンデツンデGX 4人
 +マッシブーンGX 1人

マッシブーンマッシブーンGX系統 4人
 +ルガルガンGX 3人
 +ゾロアークGX 1人

ネクロズマ(たそがれのすがた)ネクロズマたそがれGX系統 4人
 +ジバコイル+ツンデツンデGX 2人
 +ジバコイル 2人

ゾロアークゾロアークGX系統 4人
 +ダストダス 2人
 +マニューラ 1人
 +ルガルガンGX 1人

ガブリアスガブリアス+ルカリオルカリオ系統 4人
 +アローラキュウコンGX(妖) 2人
 +ジュナイパーGX 1人
 +ルカリオGX 1人

グレイシアグレイシアGX系統 3人
 +ゾロアークGX 1人
 +アローラキュウコンGX(水)

アローラキュウコンアローラキュウコンGX(妖) 1人
 +エーフィGX 1人

カプ・ブルルカプ・ブルルGX系統 3人
 +クワガノン+ゼラオラGX 2人
 +クワガノン+カプ・コケコGX 1人

アローラナッシーアローラナッシー系統 3人
 +ゼブライカ 2人
 +ラランテス+マシェード 1人

シャンデラシャンデラ系統 2人
 +カプ・コケコ+ゾロアークGX 1人
 +カプ・コケコ+ラティオス 1人

グソクムシャグソクムシャGX系統 2人
 +ゾロアークGX 1人
 +ルガルガンGX 1人

ブースター唯一王たち(KP1) 11人
・アローラサークル
・アローラダグトリオ+アブリボン
・カプ・コケコGX+ゼラオラGX
・ジュナイパーGX+ツインアロキュウGX
・シルヴァディGX+ゲノセクトGX
・バシャーモGX+バシャーモ
・フーパ+アローラキュウコン
・ホウオウGX+エンニュートGX+バクガメスGX
・ホワイトキュレム+アルセウス
・マニューラ+カプ・コケコ+ドンカラス
・メタグロス+ゲノセクトGX+ディアルガ

※デッキレシピを参考に「どちらがメインポケモンか」を見させていただき、集計しました。似たようなアーキタイプがありますが、ご了承ください。

デッキ使用率についての所感

特筆すべきは、やはりバラけ具合。
現行のサンムーンレギュレーションはまだ研究が進んでおらず、見据えるべき仮想敵がいない状況です。
そのため、みなさん思い思いのデッキを使用しており、円グラフが細かくなっています。

参考までに、前回の新人戦の円グラフです。

第1回ポケモンカード新人戦デッキ分布

前回も円グラフの内訳は細かいものでしたが、
使用率トップはゾロアークGXマッシブーンGX
この2つのデッキが「トップメタ」だったことは間違いないでしょう。

しかし、今回は使用率トップのジュカインGXでも10%、
次いでサーナイトGXとソルガレオGXが8%ずつとなっており、「トップメタが曖昧」な環境です。
9月の東京大会予選も、このように「トップメタ不在」の環境になることが予想されます。

逆に言えば、環境の固まっていない今、この新人戦の96人の使用率データは、
貴重な環境サンプルと言えるのではないでしょうか。

第2回ポケモンカード新人戦結果

その中で、上位進出を決めたデッキは何だったのか。全体の成績を見ていきます。

予選(全5回戦)
予選1位 ゾロアークGX + マニューラ
予選2位 ウルトラネクロズマGX
予選3位 カプ・コケコGX + ゼラオラGX
予選4位 マグカルゴGX + マグカルゴ
予選5位 マグカルゴGX + マグカルゴ
予選6位 サーナイトGX + ニンフィアGX + ゾロアークGX
予選7位 ソルガレオGX + アローラキュウコン
予選8位 ゼラオラGX + ゼブライカ
予選9位 アローラナッシー + ゼブライカ
予選10位 ジュカインGX + ラランテス
予選10位 ホワイトキュレム + アルセウス
予選10位 グレイシアGX + ツインアロキュウGX
予選13位 ゼラオラGX + シルヴァディGX
予選14位 ウルトラネクロズマGX
予選15位 レックウザGX + ゼラオラGX
予選16位 グレイシアGX + ゾロアークGX
次点17位 ジュカインGX + ラランテス + ラランテスGX
決勝トーナメント 
優勝 マグカルゴGX + マグカルゴ
準優勝 サーナイトGX + ニンフィアGX + ゾロアークGX
3位 グレイシアGX + ゾロアークGX
4位 レックウザGX + ゼラオラGX
ベスト8 アローラナッシー+ゼブライカ
カプ・コケコGX+ゼラオラGX
ソルガレオGX+アローラキュウコン
ゼラオラGX+シルヴァディGX

以上の結果となりました。

ベスト16に進出したのは、5回戦中、4勝1敗以上の成績を収めた人たち。
相手のデッキタイプに左右されず、安定して勝利をおさめたことは、素晴らしいことだと思います。

そして、決勝トーナメントで見事、
全勝優勝をおさめたのはマグカルゴマグカルゴGX+マグカルゴ デッキ。

マグカルゴGXは、ワザのダメージを自分で調整できるため、
非GXから進化GXまで、幅広く対応できます。
どんなデッキに当たるかわからない環境だからこそ、
マグカルゴGXのように50〜250のダメージを調整できるポケモンは重宝するかもしれません。

新人戦のデッキたちを顧みる

今回の新人戦、かなり環境がばらけていますが、
サンムーンレギュレーションを語るにあたって必要不可欠と言えるデッキタイプの使用率が少なかった印象を受けました。

それは、「非GX主体のデッキ」です。

非GXポケモンは、GXポケモンと殴り合いになったとき、
きぜつしたときのとられるサイドが少ない分、戦局が有利になります。
最近では、非GXポケモンでも、
一度に120〜200程度のダメージを与えられるようになっていて、
スペックが高いポケモンが多いです。

中でも人気が高いのは、ホワイトキュレム

ホワイトキュレム

条件を満たせばデメリットなしで160ダメージを連打できるため、
こだわりハチマキをつけると、
レックウザGXやゼラオラGX、マッシブーンGXを一撃で倒すことができます。

今回の新人戦でも使用する方が多いと予想していましたが、
なんとホワイトキュレム使用者は1名。唯一王となりました。

非GX主体のデッキをまとめると、以下のようになります。

・ガブリアス+ルカリオ 4名
・アローラナッシー 3名
・シャンデラ 2名
・アローラダグトリオ 1名
・デスカーン 1名
・フーパアローラキュウコン 1名
・ホワイトキュレム 1名
・マニューラ 1名
・アローラガラガラ 1名

96人中、15人しか非GX主体のデッキを使っていません。

やはり、これが「新人戦の醍醐味」と呼ぶべきでしょうか、
デッキ選択の際は「いかに自分が使いやすいか?」が念頭に置かれていたのかもしれません。
「GXポケモンは扱いやすい」ということの証明とも言えます。   

今回ロロたんぬが最も気にしていたこと

前回の新人戦考察記事では、「唯一王」の方々に触れていきました。
独創的なデッキを評価し、紹介させていただきました。

今回の着眼点は、ずばり。
「カプ・テテフGXの使用率、どんくらいよ?」です。

カプ・テテフGX

新スタンダードレギュレーション発表後から、
ロロたんぬはことあるごとに
「カプ・テテフGXは必要か?」という議論をしてきました。

「…勝ちたいなら持っておくべき。」「…必要ないこともある。」
様々な意見が飛び交う議題です。

この新スタンダードレギュレーションで行われた第2回新人戦は、
まさにデータ収集にうってつけの機会でした。

そしてもう1つ、ロロたんぬが気にしているカードがあります。

それは、メタモン◇です。

メタモン♢

このカード発表時、競技プレイヤーたちに激震が走りました。
(え、このカードやばない…?)
ゾロアークGXにも、ルガルガンGXにも進化できるし、
2進化デッキの進化元たねポケモンが1枚増えて5-2-3みたいに構築できるし。

無限の可能性を秘めているカードだと、
ロロたんぬは考えています。

というわけで、カプ・テテフGXとメタモン◇の使用率をグラフにしました。

ドン。

カプ・テテフGX&メタモン♢使用率

カプ・テテフ使用率 80%
メタモン◇使用率 34%
同時使用率 24%

言い換えると、
「5人中4人」がカプ・テテフGXを使用し、
「3人中1人」がメタモン◇を利用した進化デッキを使用しています。

これだけだと「使ってる人多いんだね〜」くらいでおさまる話なのですが、
……予選の成績を見てみると。

・決勝トーナメント進出者(ベスト16)
カプ・テテフGX使用率 16人中14人
メタモン◇使用率 16人中6人

カプ・テテフGXやメタモン◇を採用した人の方が、
勝率が若干安定していることがわかります。

……が、しかし!
決勝トーナメントの最終結果はどうだったでしょうか!

決勝
トーナメント
カプ・テテフGX メタモン♢
1位 なし あり
2位 あり なし
3位 あり あり
4位 あり なし

カプ・テテフGX「なし」が優勝したのです!
うおおおおおおお!!!おもしれー!!!!!!

カプ・テテフGXは、
事故回避に使えるだけでなく、終盤の詰めのために使うことができる、
非常に汎用性に富んだカードです。

しかし、マグカルゴGX+マグカルゴデッキのように、
山札のサーチ手段に困らないデッキには採用する必要がなく、
レックウザGX+ゼラオラGXのように、
山札を引く特性に頼らずに戦う、系のデッキには是非とも採用したいカード、であるようです。

結局のところ、
「勝ちたいなら持っておくべきだが、入らないデッキもある」という、
当たり障りのない結論になってしまうのですが、
それを改めて証明するような結果になったので、
とても意義のある大会だったと認識しています。  

最後に

冒頭にも書きましたが、
前回と比べて、参加者の皆さんの意識がほんとうに変わったなと感じました。

「新人戦で勝つために練習会を開く」という自主的な活動も散見され、
「新人王をかけた戦い」というブランドがプレイヤーたちの中で
大きくなっているのだと再認識しました。

自分自身も第1回新人戦をきっかけに、
この半年で公式ジャッジとしても活動し、
そのジャッジ経験を活かして、この第2回新人戦を運営できたことは、
とても嬉しく思うし、また、誇らしいことでもあると思います。

もしも、第3回新人戦があるとしたら、
その時もまた、参加者と、運営と。
みんなで成長のきっかけにできたらいいなって、思っています。

それでは、またどこかでお会いしましょう!
あるいは、どこかではじめまして!ができると嬉しいです。

ではではd(℃。)